シクロ

下の写真は、ハノイ市街での ”シクロ” です。

 ”シクロ” は、「ハノイ型」「ホーチミン型」「ハイフォン型」と地域によって形が違います。(確か「ダナン型」というのもあったような・・・)土産物でシクロの飾りというか模型というか、というものがありますが、「ホーチミン型」をモデルにしたものが多いようです。「ホーチミン型」は一人分くらいの幅の席に若干背の高い日よけ。「ハノイ型」は二人分くらいの幅の席に若干背の低い日よけ。「ハイフォン型」は下部がボートの底のような形をしています。(さすが港町ですね・・・)

 1999年であったかと思いますが、観光用の一部を除いてシクロの運行が禁止になりました。それまでは、人々の日常の足にシクロは重宝されていました。1990年代半ばの頃はバイクの価格は非常に高く、法定最低賃金の3年分くらいでした。1999年頃には道が混雑してきたため、シクロが追いやられてしまいました。簡単な貨物輸送にもシクロが活躍(一番上の写真はコンプレッサー?を運んでいるようですね)。その頃、ある日系企業の事務所で新品のコピー機を買ったら、シクロで運んできて驚いたという話を聞いたことがあります。道の混雑で追いやられたというと、東京にあった都電(路面電車)が廃止された頃みたいですね。

 ちなみにハノイにも路面電車がありました。Hoan Kiem湖からCau Giayまで走っていたそうで、1994年に廃止になったそうです。廃止の理由は交通事情ではなく、車輛や設備の老朽化と速度が遅かったということだそうです。路面電車を運航していた会社は、バス会社として現存しています。ハノイ市のバスはいくつかのバス会社に委託されており、バスの後部に会社名が書かれていますが、"Xn Xe Dien Hanoi" という会社名のバスがあります。直訳すると、「ハノイ電車会社(企業)」という名になります。

2018年10月23日